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1992年、Vシネマ用に製作された「髑髏戦士・復讐の美学 〜スカルソルジャー〜」。京本さんは、企画・原作、脚本、音楽プロデュース、キャラクター造形プロデュース、主題歌作詞作曲に携わり、そして勿論主演と、その多才さを改めて知ることのできる作品です。
漫画家・石ノ森章太郎氏の作品「スカルマン」をモチーフに、新たに書き下ろされたこの脚本では、一部の高級官僚と巨大企業が結託を組み、極秘に研究が進められていたスカルソルジャー計画により、妹を惨殺された元刑事の主人公・鳴海達也が、自らもその身体を実験体にされつつも、復讐のために計画の中心人物達に立ち向かってゆくと言う、荒唐無稽とは言い切れない、リアルでダークな世界を描いています。 最愛の妹の死を忘れ去ることができず、また、己の身体をスカルホルモンに侵され、定時間ごとにアンプルを注射しなくては、その命さえも危険に晒される鳴海の苦悩する表情は、さすが京本政樹!と言える緊迫感を醸し出し、見ている者の心を打つものがあります。 宿敵・伯牙天慌を演じる本田博太郎さんの、日頃の渋いイメージを覆す鬼気迫る演技も、京本さんの演出とのことですし、伯牙天慌が狂気に満ちた役であるからこそ、このスカルソルジャー計画がいかに人としての常識に外れた悪意の計画であるか、が際だつのだと思います。さらには…二組の兄と妹。妹の形見であるペンダントを握りしめ、哀しみに耐えながらも復讐を誓う鳴海。狂気に蝕まれる兄・伯牙の行動に恐れを抱きつつ、それでも昔の優しかった頃の面影を追い、兄を慕う泊牙の妹・澪(浜田朱里)。そして、鳴海と澪が出会ったとき、互い哀しみを抱く者同士という以上の繋がりが、二人の心の中に流れていたのではないでしょうか。 上記はあくまでも個人的な見解ですが(笑)、脚本や演出といった視点からこの作品を見てみると、京本さんの創りたかったこの「世界」が、より一層共感できるものになると思います。 本質的にはリアルでダークな作品ですが、コメディタッチで微笑ましい友人達とのやり取りなども随所に織り込まれ、三枚目的な京本さんの演技を見ることもできますし、森田健作さん、ガッツ石松さん、ダンプ松本さん、龍虎さん…と言った、京本さんと交遊のある俳優さん達のコミカルな演技も、シリアスな物語の中の息抜き、として楽しませてくれます。 また、イラストレータ・キャラクターデザイナ・監督・脚本などマルチな才能を各分野で発揮されている雨宮慶太さんが、スカルソルジャーのキャラクターデザインを手がけられていますが、こちらは、雨宮さんが監督された映画「未来忍者」の映像美に惚れ込んだ京本さんが、雨宮監督に是非に!とお願いをしたという逸話もあり、そのこだわりのデザインは、特撮ファンでなくとも「凄い!」と感嘆の声をあげてしまうほど素晴らしいものだと思います。 ラストでの伯牙天慌との対決では、フェンシングvs日本刀と、時代劇俳優としてのこだわりも見せてくれる迫力のある演出となっており、こちらも見逃すことができません。 随所に京本さんのこだわりが詰まった、この「髑髏戦士・復讐の美学 〜スカルソルジャー〜」。スカルソルジャースーツをまとった京本さんの格好良さをまだ見ていない方、また京本さんの多才ぶりをまだご存じない方は、是非是非ご覧になってみてくださいね! 1992年作品
Written by:藤枝、Drawn by:だんな |